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「愛してたら、殴れない」。

2006/02/15 [Wed] 17:31

 ぼくは一度だけ娘を殴って、人を殴るときに、その動機の中に「親としての愛情」などどこを探してもないということを知ったので、以後二度と子どもには手を上げないと決めました。そして、愛情から人を殴るということはありえないということもそのときに学びました。人を殴るのは、憎いから殴るのです。
 DV(ドメスティック・バイオレンス)がやまないのは、殴る側も殴られる側も、心のどこかで、そういう激しい感情の発露を愛情の「屈折した表現」であると信じようとしているからでしょう。
心理学では反復脅迫ということばで説明しますが、幼児期に親から虐待されてきた子どもは、虐待されることを「屈折した愛情」の証拠だからと自分に言い聞かせて、その救いのない幼児期を何とか意味のあるものだったと思い込もうとします。愛しているから殴ったとでも思わなければ救いがないのです。結局それが悪循環になっています。
 だから恐ろしいことに、父親からずっと殴られたりした女の子は成長した後も、自分が男を選ぶときに、殴る男を選ぶ傾向があります。世代間連鎖です。それは人を殴るというのは愛情の証拠だからと自分に言い聞かせてきたからです。
 人は一回メッセージを読み違えると、いつまでも自分が作った物語に執拗に忠実になるものです。DVでは被害者の心理については「脅迫反復」で説明できると思いますけれど、加害者の側が、まさに現代における支配的なイデオロギーで理論武装しているということはあまり言われません。それは「ほんとうの自分」というのが、人間の内部のどこかにあって、その「ほんとうの自分」がピュアでありさえすれば、「外側では何をしても構わない」というイデオロギーです。
 自分に正直であるためには誰にも遠慮する必要はない。自分に対して誠実であるためにはどれほど非礼でも構わない。自分の気持ちを守るためには誰を傷つけても構わない。そういうイデオロギーをTVドラマも小説も映画も垂れ流しています。
 そして、そういうイデオロギーを腹一杯に詰め込んだ「無垢な」若者たちが暴力をふるっているのです。
 人間が暴力をふるうのは、自制心が弱いとか、思いやりが足りないとかいう理由からだけではありません。暴力の行使を合理化できる論拠が自分にはあると思っているからです。その論拠を「みんな」が承認してくれると信じているからです。(p.232~234)


ちょっと長いけれど、
内田樹「疲れすぎて眠れぬ夜のために」(角川書店、2003)より引用。

昨日は「愛の日」バレンタインデイでしたね。
愛ネタを探してたわけじゃなかったんだけど、たまたま読み返していたこの本の上記の引用箇所に引っかかってしまった。

特に、5、6段目の

加害者の側が、まさに現代における支配的なイデオロギーで理論武装しているということはあまり言われません。それは「ほんとうの自分」というのが、人間の内部のどこかにあって、その「ほんとうの自分」がピュアでありさえすれば、「外側では何をしても構わない」というイデオロギーです。
自分に正直であるためには誰にも遠慮する必要はない。自分に対して誠実であるためにはどれほど非礼でも構わない。自分の気持ちを守るためには誰を傷つけても構わない。


という部分。
これって、拡大解釈すると今の世界情勢にまで汎用できる見方なんじゃないの?
と思った。

自己の快を守るために、「愛している」という気持ちを盾にして、外側に対して酷いことができる人。

一見、傲慢で嘘吐きで最低なヤツ!という感じだが、
本人の中ではその破壊・排斥・粉飾行動を、
「とても大切で重要な気持ちからの発露」と思ってて、
だから已むを得ず酷いことに手を染めてるんだ、
と(もしかしたら無意識に)自分で納得している人なんだな。

だって「大切で重要な気持ち」は守られるべきなんだから。

それは必死だ。

まさかそれが悪である可能性があるだなんて、思いもよらない。
これは善なのだ。

でもさ、それって、いいの?
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